私のグリーン・ツーリズム~それぞれの歴史・故郷がそれぞれのグリーン・ツーリズム~

相沢光哉
21世紀の日本をどう考えるか、というテーマをキーワードで見ると、少子化・地方分権・食と農・環境といった課題をどう解決し、元気な日本社会をどうつくり、持続させるかという方向が見えてくる。特に、出生率がこのまま進むと、国力の源泉である人口が大幅に減少するが、その流れの中で地方の存在価値を高めるには、グリーン・ツーリズムを中心に都市と田園との交流を増やし、日本人の時間・空間・心の価値観を改革すべきと思う。
内海 太
21世紀は自然と共生してさらにゆたかさを実感できる社会を創造してゆくことが大切とい考える。ゆとりあるライフスタイルを営むうえでグリーン・ツーリズムの果たす役割は非常に大で、大いに期待されている。ヨーロッパに比べて遅れているが、宮城の各地でさまざまな障壁に苦労しながら特徴ある活動が推進されていることは心強い。この成功を全県に広め、気軽に利用できる体験型、滞在型のグリーン・ツーリズムと発展させ、地域の活性化をはかりたいものである。
加賀たけし
グリーンツーリズムとは、コンクリートジャングルの中で効率性と生産性を追及し続けてきた現代人の心を癒す空間の創出である。これまでの農村と都市の対立から相互提携関係へ変える大きな契機である。環境保全と内発的発展の視点から第一次産業を見直し、安全性や社会協同性や文化性の価値観を育て、生産者と消費者が姿の見える新しい人間関係の経済活動、人間らしい経済活動の出発点である。
川嶋保美
グリーン・ツーリズムは、生活・文化・資源・体験・観光など都市と農村の交流の場と地域の振興でありますが、現状において多くの改善点があります。目的や定義、概念をしっかりと確立し、業務として、交流として、その位置づけが必要であります。また、たえまない研究心と心強さが大切であります。目的の確立のため業務の環境づくりや研修・情報は不安や心細さを解消する最大方策であり、エネルギーとなります。その役割は、行政であり私たちにあります。あきらめない、あきられない、あきないをしなければなりません。共に研鑚し、共に実践しなければならないのであります。
坂下 賢
第一次産業が基幹産業であるわが県において、都市と農山漁村地域が交流し、自然や文化、郷土伝統などを体験したり、学んでいただくのに、グリーン・ツーリズムの活動は最適だと思います。私たちはこの研究を通じて、各地域におけるさまざまな活動や取り組みについて調査をし、広く県民の皆さんに情報を発信することで宮城の特性や産品、食材をPRし、都市と農村部の交流促進につなげていきたいと思います。
坂下康子
私の父の生まれ故郷、河北町民崎の実家では“のんびり村”という農漁村民宿を開いております。今ではグリーン・ツーリズムのさきがけとしてたくさんの方々に知られておりますが、私自身、身近すぎる場所ということで、その良さを当たり前と受け止めていた自分を反省する今日この頃です。アサリのようにおきなシジミや、カキなどは友人知人にとても喜ばれるイチ押しの逸品。北上川沿いから見る夕陽の美しさも懐かしい思い出です。
中島源陽
「本来の人間」というのは存在すると思いますか? 私は文明の高度化を追い続けてきた結果、「存在した」という過去形になりつつあるのではないかと思っています。しかしながら一方では、小川の冷たい水の中に手を突っ込んで魚を手づかみするような、体中に心地よい刺激を与える農村での体験も見直されてきています。いわゆる“グリーン・ツーリズム”です。このグリーンツーリズムこそが私たちを「本来の人間」に近づけてくれることでしょう。
長谷川洋一
農林業の活性化、農山村の振興を図るには、地域住民はもとより、都市住民が参画し、地域と都市の住民の交流が盛んになることである。そのキーワードは「やる気」「ホスピタリティ」「ネットワーク」、そして「ないものねだり」ではなく「あるもの探し」。地域にあるものにちょっと手をかけてやると「物語づくり」「こだわり」でチャンスはあると思う。
ゆさみゆき
角田市と農業体験交流を行っている東京目黒区の小学生はご飯を食べる時、百姓先生と田んぼを思い出し、一粒の米も残さなくなった。農業は、子どもたちに命の育み、大切さを教えてくれる。農村と都市の人とこころの交流により、農村に住むひとり一人がふるさとに誇りを持ち、新たな生活文化や生活スタイルを創り出す「地域づくり」そのものが「東北・みやぎのグリーン・ツーリズム」の源だと思う。
渡辺忠悦
不勉強で不案内のまま約一年間のグリーン・ツーリズム研究会に参加して参りました。私にとって身近なことでありますが、本気で楽しくやることかなと感じました。丸森町のひっぽ地区で地元の方々と行政とがうまく協力して豊かな自然、おいしく、なつかしい伝統食、時間がゆっくりの生活、私などは忘れていました時空を体験できて、感動でした。宮城のそれぞれで持ち味を生かした、再発見と田舎の良さを実感しました。
伊勢 敏
宮城県にグリーン・ツーリズムを広め、スピード社会からスロー社会への転換を図りたいものです。日本農山村の原風景が醸(かも)し出す景観と雰囲気の中で、四季折々のゆったりした時間を楽しめることが、グリーン・ツーリズムの成功の鍵を握っていると思います。より良い景観を形成し地域全体の魅力を育むとともに、人々がゆとりの時間を創造することが重要なポイントだと考えます。グリーン・ツーリズムは、生き方にも関わる大切なものです。