これまでの視察研修コース

■岩出山コース…2003年7月30日(水)

西大崎『ばんつぁん市』見学
 西大崎地区のおばぁさん方を中心に4月から11月までの間、週2回開催。何と朝5時開店だというのにその前から行列ができることもたびたびあるとか。
 最大の売りはおばぁさんたちがお客さんに野菜の食べ方や料理の仕方なども懇切丁寧に教えてくれることで、その面白い会話ゆえにリピーターも多い。とにかく元気なおばぁさんたちでその元気さに圧倒されました。
農家レストラン『凛彩 上の家』昼食体験
 千葉家住宅を整備して、農家レストランとして蘇った施設。地元の方々で経営しており、食事も地元色を前面に出したものばかり。当日は、バスの団体客が入っており、大盛況の昼食でした。器なども当時からのものをそのまま使用しており、100年ほどタイムスリップしたような気分を味わえます。
真山地区『田舎探検丸ごとツアー』見学
 真山地区では、JRのお世話をいただきながら、夏休みに東京の子どもたちを2泊3日で受け入れています。今年で4年目となりますが、民泊した農家とすっかり仲良くなり2年連続で参加する子どももいるそうで、地域としても定着した事業となっています。東京の子どもはもちろんですが、地元の子どもたちにとっても山や川での体験が喜ばれており、いろいろな点を外から気づかせてもらっています。

■角田・丸森コース…2003年8月26日(火)

丸森町『市民農園不動尊クラインガルテン』見学
 農業を楽しみながら丸森の自然に親しみ、町民との交流を楽しんでもらうための施設としてクラインガルテンを平成12年4月に開設。全体で18区画あり、1区画約300m2で、農園約150m2と休憩施設43m2を備えている。有機栽培の実践や町民との交流を条件に1年単位の契約で貸し出ししている。現在は、全区画貸し出し中。
『筆甫そば処 清流庵』見学
 地域おこしにつなげたいと、かつて地区でよく食べられていた蕎麦を栽培し、平成11年11月にオープン。筆甫の自然・暮らしが育んだ風味豊かな蕎麦と、旬の食材を使った副食を提供している。年間に7~8千人程度の人が訪れ、蕎麦と自然を堪能している。
『ひっぽ森林のレストラン』昼食体験
 地元の食材をふんだんに使った山の幸の郷土料理を食べてもらおうと、平成15年4月にオープン。地元農家と提携し、食材を確保するとともに、家族経営協定書を作り、家族の役割や約束事を明確にしてレストラン経営に励んでいる。季節によりメニューを変え、四季折々の料理を提供している。
(社)角田市農業振興公社
 角田市と東京都目黒区の小学生の農村体験交流は、都市の小学生を受け入れるだけの一方通行から、住民同士の相互交流へ。そして、角田市農業振興公社の大きな事業である『あぶくま農学校』へと発展しました。

■河北コース…2003年9月10日(火)

『のんびり村』(尾の崎)おもしろ体験学習
 長面浦のほとりにある「のんびり村」は、築150年の木造の蔵のなかで田舎暮らしを楽んでほしいとはじめて、今年で11年を迎えます。のんびり村の村長、坂下清子さんが笑顔で迎えてくました。庭のハウスで、ナスやピーマンなどの収穫体験、続いて長面浦で採れたてのかにを網からはずす、かにはずし体験を行い、昼食は浜で採れた食材をふんだんに使った昼食を味わいました。家族で時を忘れてのんびりと田舎暮らしを楽しむリピーターが多いとのこと。地元の食材を使った料理を日夜研究している坂下さんのカニ飯、カニから揚げは、全国の食のアメニティで優良賞を受賞しました。民泊を始めたころから、制度の壁にあたり幾度となく関係機関に要望を続けた話を伺いました。
 またその後、手作りの梅干、味噌などの生産している(有)テイスティ伊藤さんに立ち寄り、アグリビジネスについて意見交換を行いました。

■栗原コース…2004年3月22日(火)

栗原コースの案内
 今年3月「寅次郎心の旅路」のロケ地ともなったレトロ調の栗電に乗った私たち研究会は、若柳駅から沢辺駅に、そして有賀の里の農家民宿、地域の食材を調理された昼食をいただき、栗原のレストランへ。栗原のおいしい高原の水で入れたコーヒーを堪能し、鶯沢町の「かぁちゃんレストラン」へ伺い、“はっと”をいただきました。季節の変わり目の春のお彼岸の季節。ほろ苦いふきのとうもおいしく、農村の交流と地域活性化への研究のた旅が限りなく続きます。
コースの一例
 若柳町役場出発⇒くりはら田園鉄道本社⇒若柳町『農家民宿 かたまった』⇒栗駒町『田舎暮らし』自宅ショップ⇒鶯沢町『かぁちゃんレストラン』
「元気を分かち合うグリーン・ツーリズムを求めて」
 県内の4つの地区を訪れ、それぞれにグリーン・ツーリズムを実践している方々のところで、聞く・話す・食べる・作る・買うなどなど、まさに宮城の農山漁村の懐の深さを痛感した研修となりました。そしてなんといっても、多くの“人の元気”に出会えたことが大きな喜びとなりました。本当に『宮城は元気だ!』という思いを持ちました。
 この“人の元気”を分かち合えるのが“グリーン・ツーリズム”なのかもしれません。単に観光地を見ていくというこれまでの過ごし方から、その土地の人に触れ、文化に触れ、風土に触れる、という一歩踏み込んでの『心の満足』を求めるようになってきたのだと思います。私たちは、宮城にはその期待にこたえるすべてがあると思っています。これからも現場の中から熱意と思いをいただきながら、訪れる人を迎える人の元気を分かち合うような宮城型“グリーン・ツーリズム”を目指していきたいと思います。