改革みやぎ・県議会報告

2013年9月
~平成25年9月 宮城県議会定例県議会~

質問/遊佐美由紀
 それでは、改革みやぎを代表して、質疑をしてまいります。
 知事、30日にハワイから帰ってきて、おかえりなさいませ。少し顔が小麦色で、ちょっと風邪を引きましたか。大丈夫ですか。
 知事は、これまで2期目、本当に一生懸命頑張ってまいりました。26年度の方針を決めるに当たっては、まず、3期目をどうするのか、知事のお考えが必要です。このまま続けていくのか、それともはたまた国に行くのか、それとも民間に行くのか。あした代表質問では詳しく言っていただいていいんですが、まず、自己評価と三期目を続けていきたいと考えているのかどうか、方針をお示しください。
回答/知事
 県会議員になりましてから、ゆさ議員とはずっと御一緒しておりますが、こんな優しい言葉をかけていただいたのは初めてな気がいたしております。ありがとうございます。
 私としては、重要な役割を担わなきゃいけないという思いを持っておりますが、この意思表示につきましては、県議会の代表質問の席で質問があればお答えをしたいということで、今、心の準備をしておりますので、少しお待ちをいただきたいというふうに思います。
 この8年間の自己評価、自分としては精いっぱい頑張ったというつもりであります。ただ、予期せぬ経済的なリーマン・ショックであったり、2回の大震災、岩手・宮城内陸地震含めてございましたので、なかなか思うようにできなかったというじくじたる思いもございます。この評価につきましては県民の皆さんがしていただく、されるものだというふうに思っておりますので、何点と、点数をつけるようなことはできないというふうに思っております。頑張ったのは事実でございます。

質問/遊佐美由紀
 じくじたる思い、一生懸命頑張っていくと、総力戦で頑張っていかなければならない、それは私も一緒でございます。その観点を踏まえて、24年度の予算の検証、そして課題に迅速に対応する予算編成、これまで各委員にお答えいただいた分は省きまして、予算編成、どんな方向で考えていくのかというポイントをお示しください。
回答/知事
 震災対応予算、事業の検証につきましては、9月定例会に決算の認定議案を提出し御審議いただくようになっているほか、県内部でも、将来ビジョン及び震災復興計画に係る県の政策評価・施策評価について、学識経験者や有識者で構成されます宮城県行政評価委員会の御意見も伺いながら実施をしてまいりました。震災対応予算の編成に当たっては、議会での御議論や政策評価・施策評価も十分に踏まえまして、また、国や市町村などと緊密に連携調整を図った上で編成をしてまいりたいと考えております。
 なお、御案内のとおり、被災地の事情の変化、また、資材や人手の不足により事業執行におくれが生じるなど、諸事情がさまざま変化するケースが多々生じております。このような変化に対応するため、随時、予算の補正につきましても対応してきておりまして、平成24年度は、補正予算を計11回編成をしております。平成26年度は、震災復興計画で定めます再生期の初年度でございます。復興に向けた取り組みを加速度的に推進できるよう、その裏づけとなる予算編成についてしっかりと対応してまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
 しっかりと対応するためには、予算がどういうふうに使われているかというのを県民の皆さん、特に被災地の皆さんにお示しをしなければならないと思います。復興庁では、7月31日に平成24年度の3県の執行状況を執行率という形で発表しました。これは64.8%、そして不用額というのが1兆2240億円でした。県民の皆様からは、使ってないんじゃないかというふうに言われましたけれども、これは使いたいけれども、知事お話ししましたように、必要だけれども使えなかったお金というふうな説明もしなければなりません。よって、これから26年度の予算編成に当たっては、この県政におきましても、こうした執行率をしっかりと表明して、又は不用額--不用額というと、どうしても不要という観点にとらわれがちですが、必要だけれどもできなかったものというのをきちっと明確にすべきであるというふうに考えています。調べてみますと、ほぼ、76%ぐらい執行しているということで、国よりも執行している状況が県にはあるというふうに受けとめておりますが、神奈川県、これは先取りしまして、この執行状況の見える化を進めています。執行状況や執行率など各部門ごとにわかりやすくしております。この宮城県におきましても、再生期において、ぜひこの手法、会計基準においての見える化なんですけども、宮城県バージョンとしては復興ここまで進んで、これだけ足りなくて、不用額ではなくて、必要だけれどもこういう理由で使えないんだよという丁寧な説明と執行の中身を見える化すべきではないでしょうか、いかがでしょうか、お答えください。
回答/総務部長
 委員御指摘の神奈川県の事例でございます。御指摘のとおり、会計の見える化という形で、各所属ごとに収支状況、それから代表的な事務事業について、四半期ごとにどこまで進んだか、あるいはどういう歳入があったか、それから評価というものを公表する取り組みでございまして、我々も拝見をさせていただきまして、参考になるものとは認識をしております。しかしながら、本県で同様のものをしようと考えますと、相当の事務量の発生が見込まれまして、現在、復旧・復興事業を推進していく中で、事務量の増大がある状況では、なかなかすぐ取り組んでいくのは困難なのかなというふうに考えております。いずれにしましても、透明性高くその状況を説明していくというのは非常に重要でございますので、予算においても、編成、決算の各段階で、わかりやすい情報提供に努めてまいりたいと考えておりますし、また、復興の取り組み状況や復旧率等については、毎月11日に、復興の進捗状況として県としては取りまとめて公表しておりまして、予算以外のそうしたものについても充実をしていきたいというふうに考えております。

質問/遊佐美由紀
 総務部長が言ったのはこれなんですね。各部署で何パーセントがやったかということなんですが、私注目しているのが再生期、復興の主体、総力を結集した復興なんですが、一番最後のページです。主な支援の状況を見ていただきますと、確かにお金は莫大にかかる。しかし、税金だけではなくて、あらゆる皆さんの寄附、それから支援をいただく仕組みも継続的にしていかなければならないと思います。
 そこで、東日本大震災こども育英募金は、いただく方に使途の明確化をしましたところ、64億円、月に1回、1億円ほど集まっています。今、60億円になりました。しかし、寄附金は、消防課で23年度は89億円、24年度は22億円、4分の1になっておりまして、義援金は175億円、昨年の9月、56億円と、3分の1に減少しています。私は、執行状況をきちっと踏まえることによって、その最終ページに課題、必要性、人的にこのぐらいの人が必要だということを県民の方に見える化して、知事の発信力を生かして、このぐらいのことが必要だという発信も必要ではないかというふうに思うんですが、この観点からお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
回答/総務部長
 寄附金等につきましては大変貴重な財源でありまして、これをもとに、被災者あるいは事業者の支援等を推進しているところでございます。議員御指摘のとおり、発災当時から比べますと、寄附金の額は年々減少をしているところでございまして、それは震災から時がたっていくとやむを得ないことなのかもしれませんけれども、いずれにしましても、その総額としては、25年度当初予算時点で、寄附金等の総額が約323億円という額をいただいておりまして、それは、基本的には復興基金、それから、地域整備推進基金の方に積み立てをして、被災者支援、事業者支援、それから、県の独自の事業として、風化防止のためのPRであるとか、NPO支援など、きめ細かい事業に活用しているところでございます。その活用については、ホームページで掲載するなど、さまざまな方法で周知、説明に努めているところでございますが、これにつきましても、更なる継続的な寄附をいただくためにも、感謝の気持ちを示すためにも、わかりやすい発信、いろんな手段の発信に努めてまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
 ぜひ、こういった観点も踏まえて、風化ということではなくて、こちらからの発信力を高めていただきたいと思います。
 続いて、具体的な各施策への要望について移ります。
 震災復興計画及び宮城将来ビジョンについては、現在の課題を踏まえて迅速に対応しなければなりません。宮城県は全国で不登校ナンバーワン、これが被災地の私たちにとっては大変心に強く、大変ショックを受けた部分もありますが、3年ではやはりこういったことも一層深刻度を増している、これをしっかりと受けとめなければなりません。しかし、復興計画におきます子供を対象とした施策については、乳幼児期の子育て家庭に対する事業が全体的に多くて、子供への直接的な支援が展開されておりますが、就学援助やスクールカウンセラー、学校の修復、心のケアなど、不登校や支援を必要としている子供、障害児やひとり親、生活保護受給者世帯の施策はほとんど明記されておりません。よって、これから、問題を抱えている子供たちの施策を講じるべきでありますし、そのためには、教育と福祉を連携をしっかりと強化すべきではないでしょうか、お答えください。
回答/知事
 ただいま委員が御指摘のあった点につきましては、我々も非常に重要だと重く受けとめているところでございます。したがって、震災復興計画、宮城の将来ビジョンに掲げておりますこういった施策につきましては、できるだけ来年度以降、具体的な施策に落として実効性のあるものにしていきたいというふうに思っております。
 不登校は、非常に宮城県、率が高いということにつきましても、言いわけとしては震災があったからということになりますが、そういった言い逃れをすることなく、しっかりと正面から受けとめて改善を図っていかなければならないと思っておりまして、教育委員会と知事部局と力を合わせながら対応してまいりたいというふうに考えております。

質問/遊佐美由紀
 そうですね、不登校にはさまざまな背景がありますので、学校のみならず、教育、福祉と連携して、教育長にもしっかりと対応していただきたいと思います。
 国に強く要望していただきたい点が一点あります。政府は、高校無償化に所得制限を設ける方針を決定いたしました。これは今、震災の影響によりまして被災地の方々、所得格差が広がることが懸念されておりまして、教育格差につながるんではないかというふうに思います。すべての子供の教育を受ける権利を保障するためには、すべての子供に高校無償化を保障すべきであります。私学の方にも保障すべきであると考えておりますので、ぜひこれは強く国に求めていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
回答/知事
 今回の国の方針では、所得制限の導入によりまして確保できた財源を、返済の必要がない給付型奨学金の創設--返す必要のない奨学金の創設をしたり、つくったり、あるいは私立学校の修学支援金の拡充など図りまして、結果的には、低所得者の世帯を支援する、あるいは公私間、公立と私立の間の格差の是正のために活用するというふうに聞いております。そういった視点で所得制限を入れるという視点は、私は、間違っていないのではないかというふうに考えております。今後、国において具体的な検討が行われることになると思いますが、被災県の実情を踏まえた配慮、また、導入により、教育現場に混乱を来すことがないよう、しっかりと求めていかなければならないというふうには考えております。

質問/遊佐美由紀
 知事の考え方伺いましたけれども、教育長にも、これは大変重要なことなので、同じクラスの中に、所得が高い人と高くない子供たちの授業料が違うということを一斉に徴収したときに、手を挙げてくれと言ったら、それは別々になっていくと、それは、私はすべての18歳、つまり高校までの子供たちは、格差を設けるべきではない、すべての子供たち、これ、民主党政権のときにしっかりと対応させていただきました。教育長、いかがでしょうか。しっかりとお答えください。
回答/教育長
 今回の所得制限については、その趣旨に関しては、今知事から申し上げたとおりでございます。すべての高校生に対して授業料を徴収すべきではないという考え方でありますけれども、小学校、中学校までの義務教育と高等学校の教育については、また違った視点で検討も必要ではないかというふうに考えております。
質問/遊佐美由紀
 世界ではこれが常識になっておりまして、日本だけが格差があるということになってしまいますので、引き続きこれは求めていきたいと思います。
 続いて、被災地において、DVや児童虐待が急増している状況があります。これにつきましては、ワンストップサービスなど総合的に支援を求めてまいりました。これは、ひとり親の特に女性の就労環境なども含めて対応が求められています。御就任されたばかりの県警本部長、ぜひ期待しておりますし、それから知事に、しっかりと女性の人権、もちろん男性の--女性からの暴力もありますので、男性の人権にもしっかりと配慮した対応を求めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
回答/知事
 DV及び児童虐待につきましては、震災による生活環境の変化のほか、行政機関及び警察への相談件数の動向からも増加が懸念をされております。県としては、児童虐待防止に関する啓発活動のほかに、DV被害の相談及び防止等について、今年度から、沿岸地域を中心に、被災地におけるDV被害者等サポート講座を展開いたしまして、DVの理解や相談窓口の周知、個別相談機会の提供などに取り組んでおります。個別の相談につきましては、市町村の窓口を中心といたしまして、女性相談センターや児童相談所、警察、医療機関等関係機関が連携をして対応しております。総合的な支援を行っているところであります。今後とも関係機関の連携を強化をしながら、相談しやすい体制づくりに努めていかなければならないというふうに考えております。
回答/警察本部長
 8月30日付で着任いたしました警察本部長の横内泉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 県警察が対応したDV及び児童虐待事案は震災後増加傾向にあり、被災地を管轄する9警察署について見ますと、その傾向は特に顕著であります。県警察では、本年4月にストーカーDV特別対策隊を新設して迅速・的確な即応体制を確立し、積極的な事件化を図るなど、被害の抑止に向けた対策を強化しておりますが、この問題については関係機関が連携した対応が大変重要でありますので、今後とも関係機関団体との連携を密にし、被害者の保護を最優先とした対応に努めてまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
 続いて、26年度の国の重点要望の中にあります復興公営住宅整備についてお伺いいたします。
 これまで、復興公営住宅の建築に当たりましては、子育て世代から高齢者まで住み続けられる宮城モデルを提案してまいりました。ところが、なかなか土木部と福祉部の連携のもとがないということから、市町村においては、サービスつきの災害公営住宅がなかなか進んでおらないという現状があると思いますが、この促進策とその課題、又は、この原資となりますこのお金、復興交付金の整備事業に充てられるお金は25年度までされておりますので、延長を強く求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
回答/土木部長
 災害公営住宅の整備につきましては、宮城県災害公営住宅整備指針・ガイドラインに基づきまして、各市町がその実情に応じて対応を行っているところでございます。そのうち、多賀城市につきましては、保育所と高齢者の生活相談所を併設する団地整備を進めております。また、仙台市、それから気仙沼市におきましても、高齢者支援のための拠点施設の計画が進められております。こうしたサービス提供の取り組みを進めていくためには、市町の福祉部門、それから民間事業者との連携が必要だと考えております。そのためにも、復興住宅市町村連絡調整会議、それからみやぎ復興住宅整備推進会議というのがありますが、そういう場を通じまして、情報交換それから意見の共有化を図っていきたいというふうに考えております。また、民間事業者が災害公営住宅と一体的に整備します子育て施設、それから高齢者の支援施設等につきましては、御指摘のとおり、平成25年度までの時限措置となっております。県といたしましては、今後、災害公営住宅の整備にあわせまして、同じように高齢者の生活支援施設等の整備が具体化していくものと考えておりますので、復興交付金の対象期間の延長につきまして要望していきたいというふうに考えております。

質問/遊佐美由紀
 さて、将来ビジョンについてです。
 復興推進計画とともに、宮城の将来ビジョンにつきましては、知事がこれまで富の循環によって経済をよくしてということもありましたが、さきの予算委員会で、知事は福祉の村井になるということで、大変、福祉業界の皆様も期待しております。よって、人間からの復興、市町村が主役の県政。この間は、知事の、上司に伺いましたら、知事は国のために頑張ってきたんだ。いつも国と言ってしまうんだというふうに言いました。今度は市町村が、人がということで、本当に私たちの地元から、中小企業を手厚く支援し、福祉、教育、人間からの復興をぜひ進めていただきたいと思いますが、方針を伺います。
回答/知事
 私は、県職員には常に言っております。国があって、県があって、市町村があるのではなくて、市町村があって、そして県があって、そして国があるんだと。市町村があくまでも中心だと。県庁の中におきましても本庁が中心ではなくて、各地方にあります地方機関が主役だと。そちらが仕事をしやすいように我々は、本庁は存在するんだということを常に言っていて、それに努めているということでございまして、市町村が主役の県政、これは当然のことだというふうに思っております。

質問/遊佐美由紀
 19日の出処進退とその具体的な表明を期待し、終わります。
 ありがとうございました。