改革みやぎ・県議会報告

2012年2月
~平成24年2月 宮城県議会定例会一般質問から~

1 宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画について

質問/遊佐美由紀
イ 政策の優先順位について
実施計画は将来ビジョンと震災復興計画を合築させたものにすぎず、富県戦略10兆円の挑戦を第一に掲げる姿勢を変えていない。緊急性の高い被災者の生活再建の環境整備のための復興事業を最優先とし、復興への道筋とすべきと思うがどうか。
回答/知事
 ゆさみゆき議員の一般質問にお答えいたします。
 大綱1点ございました。
 宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問におこたえいたします。
 初めに、生活再建の環境整備のための復興事業を優先に行い、復興への道筋とすべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。
 震災復興計画では、宮城の将来ビジョンに掲げた将来の姿を震災を乗り越えながらも実現すべき目標としており、2つの計画の目指すところは同一であります。
 このため、2つの長期計画の整合性を図り、県民の皆様にわかりやすい形県の取り組む施策の全体像をお示しするため、今回、「宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画(案)」をとりまとめました。
 実施計画の策定に当たっては、徹底した復旧・復興事業へのシフト・重点化を図ることを方針としたところであります。
 その中でも特に。「被災者の生活再建の環境整備」につきましては、その重要性に鑑み、実施計画に「被災者の生活支援」「被災者の住宅確保」「安全な住環境の確保」「地域コミュニティの再構築」などを掲げており、市町村と緊密に連携しつつ取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
ロ 雇用創出について
 生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業は、高齢者から若者への技能伝承や女性、障害者等の積極的活用など雇用面でのモデル性があり雇用創出が期待される事業である。現在の市町村の提案事業にはまちづくりにつながるものが多く、実施枠を拡大すべきと思うがどうか。また、医療・福祉・子育て分野での雇用創出についても目標設定すべきと思うがどうか。
回答/経済商工観光部長答弁
 大綱1点、宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問のうち、生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業の実施枠の拡大と医療分野等の雇用目標の設定についてのお尋ねにお答えいたします。
 「障害現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業」の実施枠の設定については、「雇用復興推進事業」として、国から交付された550億円のうち、平成23年度で終了するふるさと雇用再生特別基金事業における実施状況や市町村の意向等を踏まえ、84億円の事業費を確保したところであります。
 この事業の実施枠の拡大については、市町村からの要望や各事業の今後の実施状況等を勘案して適切に対応してまいります。
 また、雇用創出基金を活用した医療・福祉・子育ての雇用目標の設定については、雇用創出基金事業全体として、平成24年度の事業計画では、医療分野で241人、介護・福祉分野で600人、子育て分野で223人の雇用を創出することとしております。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
ハ 改正NPO法について
 昨年の法律改正で、認定NPOの認定要件を満たしていない団体でも都道府県・市町村の条例による個別指定で要件を満たすこととされたが、被災地の課題や必要なニーズに対応するNPOを県の条例で個別指定し、NPO活動を促進することを求めるがどうか。
回答/環境生活部長答弁
 大綱1点、宮城県の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問のうち、NPO法人を県の条例で個別指導し、NPO活動を促進してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
 NPO法人への寄付を促進する税制優遇措置として、従来から、国税庁による認定NPO法人制度がありましたが、今年度の税制改正等によって、NPO法人を対象とした税制優遇制度が拡充されたところであります。
 その一つが個別指定制度であり、地方自治体の税条例において、NPO法人を個別に指定すれば、その法人に対する住民の寄付金が、個人住民税の寄付金税額控除の対象となるものであります。
 また、NPO法が改正され、個別指定を受けた法人は、認定NPO法人になるための要件の一部が免除されることとなりました。さらに、今年4月から、認定NPO法人制度に準ずる仮認定制度も設けられました。
 県といたしましては、県税条例による個別指定制度の導入について、今後、広く有識者・NPO関係者・市町村等の意見を伺い、検討していきたいと考えておりますが、当面は、仮認定制度の周知及び円滑な運用に努め、NPO法人の活動を促進するための寄付の助長を図ってまいります。

質問/遊佐美由紀
(1)イ 放射能対策
 有識者会議で健康調査の必要性はないとの見解が示されたが、保護者などの不安は解消されておらず、子どもたちの被爆線量の測定データの蓄積と今後の成長・健康を見守る体制の確立が喫緊の課題である。保護者が希望する18歳までの全ての子どもと希望する妊産婦へんお健康調査として、甲状腺検査と尿検査の公費での実施についてどうか。
回答/保健福祉部長答弁
 大綱1点、宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問のうち、子どもや妊産婦に対して、健康調査を実施すべきとのお尋ねにお答えいたします。
 県では、放射性物質県民の健康に与える影響や健康調査の必要性を科学的・医学的知見に基づき検討いただくために設置した有識者会議から、科学的・医学的な観点から現状では健康への悪影響は考えられず、健康調査の必要性はないとの意見をいただいており、今後は、有識者会議で提言をいただいた放射線に対する正しい知識の普及啓発、がん検診等の受診勧奨、生活習慣の改善による発がんリスクの低減及びがん登録の整備推進の4つの対応策について取り組んでまいります。
 なお、国に対しては、基準の明確化とともに市町村が行う健康への影響を確認する調査の費用について、国の経費負担で行われるよう、引き続き要望してまいります。

質問/遊佐美由紀
(1)ロ 県内の全ての子どもたちの健康を守るために、福島県や栃木県のように小型線量計の子どもへの装着による被爆線量の測定を急ぐ必要があり、積算被爆線量の測定のためのフィルム・バッジの配布についてはどうか。
回答/環境生活部長答弁
 次に、フィルム・バッジの配布についての御質問にお答えいたします。
 空間放射線量の最も高い丸森町で実施した健康調査結果では、現状では健康への悪影響は考えられず、健康調査の必要性はないとの意見をいただいております。
 また、昨年、県内すべての小中学校等1,622箇所での空間放射線量の測定を実施したところ、平均で時間当たり0.13マイクロシーベルトとなり、県内の大半の地域では年間積算線量1ミリシーベルトを下回っている状況にあり、現在のところフィルム・バッジを個々に配布する必要は無いものと考えております。
 今後は、24時間常時監視を行う「モニタリングポスト」を全市町村に設置し、測定体制の強化を図り、その結果を「放射能情報サイトみやぎ」できめ細やかに情報提供していくとともに、汚染状況重点調査地域の除染を速やかに実施し地域の放射線量の低減を図ってまいります。

質問/遊佐美由紀
(1)ハ 福島原発事故に関する国と県の情報提供活動は双方向ではなく、住民の声に耳を傾けない県の頑なな態度が不安を更に大きくしている。有識者会議は2地区の1回の健康調査で健康には影響がないと断定したが、低線量被爆が及ぼす影響は明確でない部分も多く、県民の不安な気持ちを受け止めるためのリスクコミュニケーションの場としての協議会設置についてどうか。
回答/保健福祉部長答弁
 次に、県民とのリスクコミュニケーションの場として協議会を設置してはどうかとの御質問にお答えいたします。
 有識者会議におきましては、県民の健康への不安払拭を図るためパンフレットの作成や講演会の実施など放射線に対する正しい知識の普及啓発について提言をいただいたところであります。
 国においても、健康被害に不安を抱く住民に対して支援するためリスクコミュニケーション事業を検討していると伺っており、国との連携を十分図るほか、東京電力福島第一原子力発電所事故対策みやぎ県民会議で御意見もいただくなど、県民の不安払拭に努めてまいります。

質問/遊佐美由紀
(1)ニ 福島からの次週避難者について、出産などの費用がかかり大変なので何とかして欲しいとの声があるが、自主避難している母子の実態調査を行いきめ細かな相談に応じてはどうか。また、調査はNPO等に委託し雇用政策につなげてはどうか。
回答/知事答弁
 次に、福島からの自主避難者の実態調査やきめ細かな相談等についての御質問にお答えいたします。
 震災による避難者につきましては、避難先自治体への届出により、総務省が開設した「全国避難者情報システム」を通じて、避難先の自治体に対しても、避難者の情報が提供されているところであります。
 この仕組みにより、避難者に対しては、避難前の自治体から必要な情報が通知等により提供されるほか、避難先の自治体においては、妊婦検診等の行政サービスの提供や、各種相談への対応も行われているところであります。
 今後とも、届出の周知を含め、他県からの避難者に対しては、市町村や関係機関等との連携を強化し、その支援に努めてまいります。

質問/遊佐美由紀
(1)ホ 被爆線量を減らしストレスを解消する取組として、ベラルーシでは1ケ月ほど保養を行っている。2泊3日でも安全な環境で仲間たちと語り合うなど、週末体験プログラムを実施すべきと思うがどうか。
回答/環境生活部長答弁
 次に、ストレス解消の取組としての週末体験プログラムの実施についての御質問にお答えいたします。
 丸森町において実施した健康調査では、甲状腺超音波検査及びホールボディカウンターによる内部被爆線量測定のいずれにおいても何ら影響が認められませんでした。
 現在、汚染状況重点調査地域に指定された9市町を中心として汚染土壌等の除染に取り組んでおりますが。当面は、こうしたことが喫緊の最重要課題であると考えており、全力で、市町と一体となって取り組んでまいります。

質問/遊佐美由紀
(1)へ 学校給食の使用食材について、県民の不安払拭のための対策を国に要望し、放射性物質の検査は国の制度を活用した検査機器配備等を進めるとしているが、学校給食を毎月2回程度測定している自治体もある。消費者庁が貸出している食品測定器を心配な地域に優先的に貸付するなど、検査体制を整え計画的に取り組むべきと思うがどうか。
回答/環境生活部長答弁
 次に、食材の検査体制についての御質問にお答えいたします。
 県では、県民の放射能への不安に応えるためには、住民が身近なところで食材などの放射能測定ができる体制整備が大切であると考えております。
 そのため、全市町村に放射能測定器を配備することとしており、その推進に当たりましては、消費者庁の測定機器の貸与制度等も積極的に活用したいと考えております。

回答/教育長答弁
 大綱1点目、宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問のうち、学校給食の放射能検査体制に関するお尋ねにお答えいたします。
 食品の放射能測定については、消費者庁から市町村に対する放射能測定機の貸与などにより、市町村で測定できる体制が整備されてきておりますが、学校給食についても、安全・安心の確保が重要であると考え、日本赤十字社や大学などの協力を得て、平成24年度から学校給食用食材について、事前のサンプル検査を実施することとしております。
 さらに、これとは別に、文部科学省の委託を受け、学校給食一食全体の事後検査を行う「学校給食モニタリング事業」を、この3月から一部市町村において実施することといたしました。
 これらの結果については、県のホームページ等で公表することとしており、児童生徒及び保護者等の学校給食に対する安全・安心の確保のための取組を計画的に進めてまいります。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(1)ト 災害廃棄物処理の計画期間内での終了のためには他の都道府県の協力による広域処理が不可欠で、受入れ側の理解を得ることが課題である。東京都では女川町試験焼却用の放射能管理マニュアルを策定したが、本県も放射能管理マニュアルを早急に策定し、空間線量率、バックグラウンド線量、線別エリアの空間線量率の測定結果を公表すべきと思うがどうか。
回答/知事答弁
 次に、放射能管理マニュアルについての御質問にお答えいたします。
 災害廃棄物の広域処理を円滑に進めるためには、放射性物質に関する測定を徹底し、健康や生活環境に影響のない安全な廃棄物の処理をお願いするものであることを、受入側自治体や住民の皆様に強く訴えていく必要があると考えております。
 御指摘ありました、女川町の災害廃棄物の東京都への受け入れに際しては、東京都が「放射能管理マニュアル」を策定し、昨年12月の試験搬出に引き続き、今年3月からの本格搬出においても、放射性物質に関する測定を行うこととしております。
 県では、現在、二次仮置き場での処理に当たって、廃棄物の搬入、分別、処理、搬出といった各作業工程ごとの具体的測定方法、評価基準等を詳細に定めたマニュアルの策定を進めているところであります。
 今後、このマニュアルに沿って、厳格に放射性物質の測定、管理、低減化を図りそのデータを公表し、受入側自治体の要望に十分に応えていきたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
(2)地域で支え合う子育て・介護・医療の充実
イ 子ども手当の見直しと高校無償化の見直しの検討は、安心を支え合う日本への社会保障改革からの逆行である。知事は社会保障サービスの持続的な提供のためにも消費税引き上げの実現が必要との考えを示しているが、高校無償化についても堅持するよう国に求めて欲しいがどうか。
回答/知事答弁
 次に、高校無償化についての御質問にお答えいたします。
 高校授業料不徴収制度等は平成22年度に開始されておりますが、昨年7月に、少なくとも復興の目処が立つまでは制度の見直しを行わないよう、国に対し要望したところであります。
 震災後、間もなく1年が経過しようとしておりますが、地域経済の本格的な復興には時間を要し、被災生徒等にとって困難な状況が続くと見込まれることから、こうした中で、制度の見直しにより混乱を来すことのないよう、国には慎重な対応を求めてまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
(2)ロ サポートセンターの支援員による見守りは高齢者の健康状態、精神状態の把握が優先され、子どもの一時預かりや児童館機能の不足が指摘されているため、仮設住宅における子どもの遊び場の確保と中高生も利用できるひろば事業の実施を求めるがどうか。また、震災後の児童虐待や子どもの権利侵害に対するケアと相談・救済・回復の体制確保を求めるがどうか。
回答/保健福祉部長答弁
 次に、仮設住宅における「子どもの遊び場の確保」と「児童虐待に関する連携」等についての御質問にお答えいたします。
 被災地における子どもの遊び場の確保や居場所づくりについては、市町村や民間団体等と連携した取組が重要と認識しております。
 このため、仮設住宅サポートセンターにおいて、セミナーやワークショップ等を開催し、子育て支援団体の育成やネットワークづくりを進めてきたほか、こうした活動を主体的に行うNPO等の団体に対し活動費を助成するなど、その支援に努めてきたところであります。
 今後とも、これらの取組をさらに充実し、子育て環境の整備に努めてまいります。
 また、児童虐待に関する相談件数については、前年を若干下回って推移しているものの、震災の影響等により、今後増加の懸念があるものと認識しております。
 児童虐待の防止に向けては、児童養護施設協議会、保育協議会、弁護士会、医師会等で構成する「宮城県子ども虐待対策連絡協議会」を開催するなど、これまでも関係機関と連携し、取組を進めてきたところであり、今後とも、これらの取組をさらに強化してまいります。

質問/遊佐美由紀
(2)ハ 地域包括ケアの推進と医療・介護の提供体制の構築には、小規模多機能24時間巡回型の訪問介護ステーション等の住宅医療福祉サービスの充実が必要だが、課題を踏まえて今後の取組についてどうか。
回答/保健福祉部長答弁
 次に、地域包括ケアの推進についての御質問にお答えいたします。
 今回の介護保険制度の改正により、24時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問看護介護」や、小規模多機能型居住介護と訪問看護などを組み合わせた「複合型サービス」が創設されるとともに、医療と介護の連携強化を促す介護報酬改定がなされるなど、住宅の要介護者を支える体制の整備が進められているところであります。
 一方で、これらの新たなサービスは、利用者が広域に点在する地域では、移動に時間を要するため効率的なサービスの提供を行いにくいほか、オペレーターなど新たな人的配置に見合う利用者の確保が困難であったり、専門職の不足など、事業運営上の課題も指摘されているところです。
 県といたしましては、国に対して事業者の参入促進策の拡充などについての要望を行うとともに、事業者関係団体への参入の働きかけや、市町村・利用者に対する普及啓発を行いながら、在宅医療福祉サービスの充実に努め、地域包括ケアシステムの実現に取り組んでまいります。

質問/遊佐美由紀
(2)ニ 県は地域医療復興計画と地域医療再生計画を一体的に取り組んでいるとしているが、具体的にどう取り組むのか。
回答/保健福祉部長答弁
 次に、地域医療の復興及び再生に向けた取組についての御質問にお答えいたします。
 地域医療の再生及び復興は、緊急の課題と認識しており、国の財源を活用して策定した計画に基づく事業を確実の実施してまいりたいと考えております。
 具体的には、まず、震災前の平成21年度に策定した「地域医療再生計画」では、公立刈田総合病院に回復期リハビリテーション病棟が開設され、みやぎ県南中核病院の地域救命救急センターが着工されるなど、県南地域の課題である医療機能の分化と連携強化に向けた事業が進んでおります。
 また、県北地域では、登米診療所が新築され、大崎市民病院が着工されるなど、課題である病院再編と三次救急等の強化のための各種事業が進んでいるところであります。
 次に、全県的視野での地域医療の課題解決が求められ、併せて、東日本大震災からの復旧が急務になったことから、「第二期地域医療再生計画」及び「地域医療復興計画」を一体的なものとして策定し、基金の造成及び個別事業に係る予算案を本定例会に提案したところであります。
 両計画には、被災した病院の再建や医療連携体制の構築、人材確保など、沿岸部の医療復興に必要な事業を盛り込んだほか、全県的視野で救急や小児・周産期医療の体制整備、在宅医療の充実強化や医療従事者の確保と育成などにも取り組むこととしており、市町村、関係団体等と十分な連携を図りながら、計画を着実に実施し、一日も早い医療の復興と再生を目指してまいります。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(2)ホ 震災を踏まえて平成27年にかけて地域防災計画の見直しを図るとしているが、見直しでは女性や子育て、介護、障害者のニーズを踏まえた多様な意見が反映されるよう、計画策定段階から参画についての一定の枠組みを設けるべきと思うがどうか。
回答/知事答弁
 次に、地域防災計画の策定段階からの女性や障害者の参画についての御質問にお答えいたします。
 今回の大震災を契機として昨年12月に修正された国の防災基本計画においては、障害者等の災害時要救護者への災害対策における配慮に加え、退避所や応急仮設住宅の運営管理等における女性の参画促進が新たに加えられたところです。
 県防災計画は、基本的に国の防災基本計画に基づき修正されることになります。
 また、県防災計画を策定する県防災会議の構成委員は災害対策基本法第15条により機関等が規定されているところですが、修正にあたっては、計画の立案過程において、関係機関や関係部局で協議を行い、女性や障害者の方々など、多様な意見を反映できるよう、取り組んでまいります。

質問/遊佐美由紀
(3)復興住宅計画
  イ 災害公営住宅について、要介護者等のケアに配慮し、子育て世代も安心して住める住まいの確保が必要である。住宅整備プロセスにおいて地域コミュニティの維持を図り、住民主体の整備を促進するため、建築の専門家やNPO等が参加するワークショップの開催を効果促進事業で進めるべきと思うがどうか。
回答/土木部長答弁
 大綱1点目、宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問のうち、災害公営住宅の整備における、住宅主体の取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。
 「宮城県復興住宅計画」においては、災害公営住宅の整備方針の一つとして、地域コミュニティの維持を図るための取り組みを掲げております。
 災害公営住宅の整備は、新たに創設された復興交付金制度の基幹産業と位置付けられており、ワークショップの開催等については、効果促進事業の活用などが有効と考えております。
 今後、県と被災市町などで構成される「復興住宅市町村連絡調整会議」で、効果促進事業の活用の具体的なスキームを示すなど、住民主体の取り組みについて市町に働きかけてまいります。

質問/遊佐美由紀
(3)ロ 来年度新設される復興住宅整備室について、居住福祉の理念を生かした復興住宅整備を促進するため、福祉部門と一体の組織体制を整備すべきと思うがどうか。
回答/土木部長答弁
 次に、来年度に設置予定の復興住宅整備室と福祉部門との組織体制についての御質問にお答えいたします。
 津波被害を受けた市町の多くは、高齢化率が高く、また人口減少が進んでいる地域でもあることから、災害公営住宅についても高齢者の入居割合が高くなることが想定されるため、住宅分野と医療・福祉分野との連携した取り組みが重要と考えております。
 これまでも、「だれもが住みよい福祉のまちづくり」等での福祉部門との連携を進めてきており、住宅施策は福祉と切り離せないものとなってきておりますことから、今後とも、保健福祉部関係各課との連携の強化を図りながら、少子高齢社会に対応した住まいづくりを推進してまいります。

質問/遊佐美由紀
(3)ハ 高齢者の住宅を考える宮城の会では、地域における子ども・若者・高齢者の交流の場や託児の機能を備えた住宅、コレクティブ・ハウジング、ケア付き住宅など、今後みやぎの復興住宅を研究するとしているが、引き続き会に参画し、宮城モデルの災害復興住宅について提案すべきと思うがどうか。
回答/土木部長答弁
 次に、高齢者の住宅をかんがえる宮城の会に参画し、宮城モデルの災害復興住宅について提案してはどうかとの御質問にお答えいたします。
 今後の災害公営住宅の整備にあたっては、少子高齢社会への対応や地域コミュニティの維持等が重要な課題となることから、引き続き、会に参加することにより、相互に情報の共有を図りながら、将来を見据えて高齢者にとって、より良い住まいづくりに努めてまいります。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(4)東北再生を視野に入れた施策の推進
イ 原発事故を契機とした再生可能エネルギー等地域資源の徹底活用が国を挙げての課題であり、国は国立・国定公園での地熱発電所の設置要件緩和の方針を決めた。東北6県での発電出力は約74万キロワットと推定されるが、地熱発電を再生可能エネルギーとして導入するため、東北各県と連携し東北特区としての調査・開発でエネルギーの共有化を図ってはどうか。
回答/環境生活部長答弁
 次に、地熱発電についての御質問にお答えいたします。
 地熱については、年間を通じて安定的に供給可能な、純国産の再生可能エネルギーであると認識しております。
 現在、日本における地熱発電所は18箇所、合計53万キロワットであり、東北地方や九州地方を中心に立地しております。
 平成22年度に環境省が行った調査によりますと、全国の地熱エネルギーの導入ポテンシャルは、約1,420万キロワットとされております。
 国では現在、再生可能エネルギーの更なる普及の観点から、地熱発電の導入拡大に向けて、「地熱発電事業に係る自然環境影響検討会」等で自然公園法、温泉法の運用の見直しなど、規制緩和に向けた検討が行われているところです。
 東北地方には、多くの地熱エネルギーが存在することが認識されていおりますが、一方では、地熱エネルギーの有効活用には、経済性や温泉事業者との調整などの課題もあります。
 今後とも、国の施策動向を注視しながら、東北各県とも情報交換を図り、地熱エネルギーの開発の可能性を探ってまいります。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(4)ロ グリーン・ツーリズムの体験活動には様々な効果が期待される。ライフスタイルの転換のため長期休暇法の制定を国に求めるとともに、東北グリーン・ツーリズム特区を創設し、農山漁村に日本全国、世界から長期滞在を受け入れて、東北が培ってきた自然との共生や人との結い支え合い、食の文化を再生し、東北の復興を目指すべきと思うがどうか。
回答/農林水産部長答弁
 対抗1点、宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画についての御質問のうち、ライフスタイル転換のための東北グリーン・ツーリズム特区などについてのお尋ねにお答えいたします。
 平成22年9月の定例県議会において議員から御質問のありました、農山漁村民泊の東北全体での規制緩和や総合特区について継続して検討してまいりました。
 グリーン・ツーリズム関係で認定された全国各地の構造改革特区での特例措置については、そのほとんどが現時点では法律改正などにより、規制が緩和されているのが実情です。
 和が県の農山漁村は、今回の震災で甚大な被害を受けたことから、その復興のためには、当面は、農林水産業再生を図る必要があります。そのひとつの視点として農林漁業体験や農家民泊等のグリーン・ツーリズムの振興も重要な要素と考えております。
 なお、今後とも長期休暇法などに関する考え方も含め、東北各地との情報交換を密にし、東北復興の道筋の中からグリーン・ツーリズムを推進してまいります。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(4)ハ 地域医療の再生として、沿岸部の医師不足解消や過疎地・へき地医療確保、子どもの心のケア、児童精神科医の養成のためにも、宮城における医学部設置の実現へ積極的な取組をすべきと思うがどうか。
回答/知事答弁
 次に、医学部設置実現に向けた取組についての御質問にお答えいたします。
 医学部新設により、御指摘のありました分野を含め、県内で医師の供給や定着が進むことになるのであれば大変ありがたいと考えております。県といたしましても、昨年12月、神奈川、新潟、静岡の各県知事と共同で、政府に対し、医学部新設など医師不足解消のための具体的な対策を要望したところです。
 現在のところ、文部科学省の検討会では、医学部新設の是非については両論併記となっており、今後の議論を見守る必要がありますが、県といたしましても、医師不足解消に向け、国への働き掛けを行ってまいります。
 私からは以上でございます。