改革みやぎ・県議会報告

2010年9月
~平成22年9月 第328回宮城県議会定例会一般質問から~

1 地域経済の持続的な成長を目指す県政運営について

質問/遊佐美由紀
(1) 国の新成長戦略では、子育て、医療、介護、環境、農業、林業等での潜在的な需要が見込まれる分野において「新しい公共」の考え方に立ち、NPO等を活用しながら雇用創出の取組を推進することとしているが、この新成長戦略についてどうか。
回答/知事
 ゆさみゆき議員の一般質問にお答えいたします。
 大綱4点ございます。
 まず、大綱1点目、地域経済の持続的な成長をめざす県政運営についての御質問にお答えいたします。
 初めに、政府が推進している新成長戦略についてのお尋ねにお答えいたします。
 現政権の推進しております新成長戦略は、成長率や消費者物価指数上昇率、失業率について明確な目標を定め、7つの戦略分野と21の国家戦略プロジェクトにより新たな需要と雇用の創造を図ろうとするものであります。
 その具体的な内容として、政府は、9月10日に「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」を閣議決定し、雇用・投資・消費の基盤づくりや耐震化、規制改革などの「緊急的な対応」の内容を明らかにしたところです。
 経済や雇用情勢が厳しい中、政府が目標を定め、経済政策を実施することは重要であり、我が県にとっても雇用対策などの経済対策は喫緊の課題であります。
 国はNPO等の活用による「新しい公共」の考え方に立った雇用対策も含め、当面の緊急的な対応に基づく施策を早急に実施するほか、新成長戦略全体の具体像を明らかにし、実効性のある施策をさらに拡充していく必要があるものと考えております。

質問/遊佐美由紀
(2) 自動車産業の振興と最先端技術高度電子機械産業の進出による県の雇用創出見込み数はどうか。また、潜在的な需要が見込まれる分野での雇用創出のための対策についてどうか。
回答/知事
 次に、自動車産業の振興と最先端技術高度電子機械産業の進出による県の雇用創出見込み数についての御質問にお答えいたします。
 自動車産業においては、来年1月操業開始予定のセントラル自動車やその関連企業の立地、地元企業との取引拡大などにより、雇用の創出が期待できるところであります。
 既に県内に立地を決定している企業等の雇用創出見込み数については、進出計画等において従業員数を明らかにしている企業に限って見ますと、自動車関連産業10社で2,400人程度、高度電子機械産業6社で2,700人程度、さらに食品関連産業3社で300人程度、合計して5,400人程度が見込まれます。
 また、サービス産業や運輸業においての雇用創出を含みますと、1万人以上の雇用創出が見込まれます。

 次に、潜在的な需要が見込まれる分野での雇用創出対策についての御質問にお答えいたします。
 雇用の創出については、今年3月に策定した「宮城の将来ビジョン第2期行動計画」における4つの主要政策の一つに、「県民生活を支える雇用の創出」を掲げ、さまざまな施策を展開しております。
 具体的には、当面の緊急的な対策として、国からの基金を活用し。介護、医療、農林水産、環境等の成長6分野及び県が成長分野としてニーズの高い分野として追加した産学官連携、IT関連などの4分野の合計10分野において雇用を創出する「重点分野雇用創造事業」を実施しております。
 また、担い手不足となっている農林水産分野や需要が拡大している介護分野への就労を促進するため、将来にわたって意欲と能力を持った担い手として定着できる人材育成等の支援を行うなど、潜在的な需要が見込まれる分野での雇用の創出に努めております。
 今後、「雇用・人材戦略」を盛り込む「新成長戦略」の実現に向けた国の動向等も注視しながら、引き続き県内各地及び幅広い産業分野での雇用の創出に積極的に取り組んでまいります。

質問/遊佐美由紀
(3) 新成長戦略で創設される総合特区制度の研究などのために、政策の総合調整や民間との協働での事業推進が求められる。机上の計画ではなく、知恵と力を結集するための施策を推進するため、また、地域主権を目指すためにも県の役割の見直し、組織改革、外郭団体改革の促進、人事の在り方の見直しが必要と思うがどうか。
回答/知事
 次に、総合特区制度への対応や地域主権を目指すために県の役割の見直しなどが必要と思うがどうかとの御質問にお答えいたします。
 今回の「総合特区」への取組では、先般、「みやぎ45フィートコンテナ物流特区」など5つの特区を国に提案いたしました。その検討は、私がリーダーシップを発揮し、各部局の知恵を結集すべく、全庁的にかつ徹底して行いました。そして、5つの特区構想は、いずれも行政のみならず、民間との連携・協働によるものとなっております。
 「地方主権型社会」へ適切に対応するためには、このような取組を継続していくほか、更なる行財政改革が必要でありますことから、今年3月に策定した「行革推進プログラム2010」に基づき、具体的な取組を進めております。
 特に、真の地方分権の実現に向けて、国と地方の役割の抜本的見直し、地方税財源の充実強化を強く国に求めていくほか、公社等外郭団体については、本来の役割を適切に担えるよう、県の適正な関与による自立的運営の促進を図ってまいります。
 また、地方分権が進展する中で、県民のニーズや地域の課題に的確に応えていくためには、組織としての政策企画力の向上が重要となっていますことから、今後とも、職員の更なる能力の向上や発揮のために効果的な研修に取り組むとともに、課題に即応した組織と適切な人事配置を柔軟に行い、組織の活性化、組織力の向上に努めてまいります。

質問/遊佐美由紀
(4) 新成長戦略では「新しい公共」の考え方に立ちNPO等を活用した雇用創出を推進するとしているが、こうした障がい者雇用を促進する「社会的企業」の推進についてどうか。また、県庁1階の市町村直売コーナーを常設化してはどうか。併せて障害者ショップを併設してはどうか。
回答/経済商工観光部長
 大綱1点目、地域経済の持続的な成長を目指す県政運営についての御質問のうち、「新しい公共」の考え方に立った、障がい者雇用を促進する「社会的企業」の推進についてのお尋ねにお答えします。
 県内の障害者雇用の状況については、厳しい経済情勢の中、民間企業の障害者雇用率が昨年6月1日現在で、1.57パーセントと、法定雇用率1.8パーセントを下回っており、大変厳しい状況にあります。
 こうした状況の中、県といたしましては、働く意欲のある障害者の方々が、その能力に応じていきいきと働くことができるように、宮城労働局など関係機関と連携し、「障害者雇用支援のつどい」や「障害者就職面接会」を開催するなど、就職支援に取り組んでおります。
 「社会的企業」の推進については、国において、平成23年度に「社会的企業」を支える環境整備等の調査・分析が実施される予定であります。その結果を踏まえて、法人制度の検討が行われることから、議論の動向を注視してまいります。
 次に、県庁1階の直売コーナーの常設化についての御質問にお答えします。
 県庁1階で実施している市町村等物産展につきましては、市町村等による地域の物産の紹介や生産者との交流の場として、1週間を限度とした入れ替え制により運営しております。
 市町村等の公平な出展機会の確保、運営のしやすさや、より多くの県民の皆様にご覧いただくためには、現在の場所、形態での運営、実施が最良と認識しております。
 次に、県庁1階における障害者ショップの併設化についての御質問にお答えします。
 県内の授産製品等を展示販売するスペースについては、障害者就労支援事業を行うNPO法人が運営することとなっている県庁18階レストランに併せて設置される予定でございます。障害者自らが働く場として、レストランとともに11月中のオープンに向けて、現在準備が進められております。
 まずは、このレストランの営業や授産製品等の販売が軌道に乗るよう応援し。障害者の働く場の確保、工賃の向上を支援してまいりたいと考えております。

2 男女共同参画社会の実現・人・もの・環境を活かす
  農山漁村女性の起業家支援等について

質問/遊佐美由紀
(1) 農林水産業における女性の起業活動について、県は今後は数の増加ではなく経営体の質の向上を目指して目標値を検討中と聞くが、農山漁村女性の起業家を支援するために、資金面や技術面などの支援を重点的に行うべきと思うがどうか。
回答/知事
 次に、大綱2点目、男女共同参画社会の実現・人・もの・環境を活かす農山漁村女性の起業家支援等についての御質問にお答えいたします。
 初めに、農山漁村の女性起業家に対する支援についてのお尋ねにお答えいたします。
 県では、農業改良普及センターが中心となり、女性農業者の起業に必要とされる技術支援や人材育成に取り組んでまいりました。
 その結果、農家レストランや農家民宿等の女性の起業数は、昨年度末現在424経営体と、全国でもトップクラスとなっております。
 しかしながら、その約6割の経営体が売上額300万円未満と小規模であり、更なる規模拡大と質の向上を図りながら、経営の安定に向けた取組が望まれております。
 このため、県といたしましては、今後、売上額500万円以上の経営体の育成を目指し、加工技術や販売戦略に関する研修の充実や専門家を派遣するなどの支援を行う一方、農業改良資金等の制度資金や市町村総合補助金の活用などを通じ、女性起業家の発展段階に応じた取組を積極的に支援してまいります。

質問/遊佐美由紀
(2) 農山漁村女性の起業に際しての課題を解決するためには、女性リーダーのネットワークを通じて情報を共有して解決のために努力する必要がある。このため、APEC女性リーダーズ会議のネットワークを活かしアジアの女性リーダーとの連携を深めるための経済戦略を打ち出すべきと思うがどうか。
回答/知事
 次にアジアの女性リーダーとの連携を深めてはどうかとの御質問にお答えいたします。
 農山漁村活性化の原動力となっている女性パワーを活かしていくためにも、女性の社会参画が重要であると認識しております。
 県といたしましては、これまで農山漁村の起業家を育成するため、地域の女性組織への活動支援や全国会議への派遣等を通じ、リーダーとしてのスキルアップや全国農山漁村女性との交流が図れるよう支援してまいりました。
 お話のとおり、地域で活躍する女性リーダーが国内のみならずアジア等、海外の女性リーダーとの交流・連携を深めていくことは、大変に意義のあるものと受け止めており、今後、APEC女性リーダーズ会議の趣旨に賛同し、参加を希望する女性起業家等に対しては、情報提供などの支援を行ってまいります。

質問/遊佐美由紀
(3) 県で男女共同参画推進の担当組織が課から班に移行した影響で、市町村でも男女共同参画担当部署が縮小したり又は縮小方向にあると聞く。男女共同参画推進において県の推進体制はシンボリックな意味もあることから、「課」にすることを検討して欲しいがどうか。
回答/環境生活部長
 大綱2点目、男女共同参画社会の実現・人・もの・環境を活かす農山漁村女性の起業家支援等についての御質問のうち、男女共同参画推進のための県の体制を、「課」にすることを検討してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
 共同参画社会推進課への再編は、マンパワーを集約し、NPOや地域団体など多様な主体と協働しながら、男女共同参画、NPOの活動促進、青少年の健全育成に関する施策を総合的に推進することを目指したものです。
 男女共同参画の推進については、男女共同参画推進専門監を配置するなど、積極的に取り組んでいるところでありますので、御理解を賜りますようお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(4) 県では今年度中に、男女共同参画基本計画第二次計画を策定すると聞くが、女性登用について、数値目標を定めるなどの積極的な改善措置やワークライフバランスの実現、県民からの意見をどう反映するのか。
回答/知事
 次に、男女共同参画基本計画第二次計画へ、女性登用のための積極的な改善措置やワーク・ライフ・バランスの実現。県民意見をどのように反映するのかとの御質問にお答えいたします。
 第二次計画については、昨年12月男女共同参画審議会に諮問して御審議いただいており、7月には投信中間案を取りまとめ、県民の皆様から御意見を頂いたところです。
 女性の参画の拡大やワーク・ライフ・バランスについては、審議会委員の皆様から、積極的に推進するよう御意見を頂いており、また、多くの県民の皆様からも積極的に取り組むべきとの御意見が寄せられたところであります。
 今後、審議会から答申を頂くこととなっておりますが、男女共同参画社会の実現は、県政のタイへ重要な課題と考えておりますので、審議会への女性委員の登用増や、数値目標を高めるなど、積極的に対応してまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
(5) 教育現場での男女共同参画の実践は重要だが、第二次計画では男女共同参画の指標値としての高校の男女混合名簿導入率を削除する方向と聞く。教育に携わる教員が男女共同参画の重要性を理解するためにも、小中高校全ての段階で混合名簿を導入すべきであり、また、全ての教職員が男女共同参画の意義について研修すべきと思うがどうか。
回答/教育長
 大綱2点目、男女共同参画社会の実現等についてのご質問のうち、男女混合名簿の導入及び男女共同参画の意義に関する教職員研修についてのお尋ねにお答えいたします。
 男女共同参画の意義について、県教育委員会といたしましては、初任者研修やパンフレットを通じて啓発に努めておりますが、改めて全教職員対する研修を行うべき課題というより、教職に携わる者として当然に備えているべき素養であると考えております。
 また、我が県における教職員の男女比は、53対47、特に、児童の人格形成に重要な役割を担う小学校では43対57となっており、教職員は他の職にも増して、男女が協力して仕事にあたっている職種であり、各学校においては、児童生徒の発達段階や場面に応じ、適切な教育が行われております。
 なお、男女混合名簿の導入については、男女共同参画の意義を踏まえながらも、各学校の実情に応じて、活用上の利便性等も考慮し。判断されるべきものであると認識しております。

3 アウトドア環境教育について

質問/遊佐美由紀
(1) アウトドア環境教育が盛んなスウェーデンでは、教室での学習カリキュラムをそのままアウトドアに持ち出し高い教育効果をあげていると聞くが、本県でも「学ぶ土台づくり」推進プログラム事業の一環としてアウトドア教育へ取り組んでみてはどうか。また、この領域での世界最先端の教育研究機関であるリンショーピン大学と政策交流事業プロジェクトを立ち上げ推進してはどうか。
回答/教育長
 次に、大綱3点目、アウトドア環境教育についてのご質問のうち、「学ぶ土台づくり」推進プログラムでの取組及び政策交流についてのお尋ねにお答えいたします。
 小学校就学前の幼児期は、子どもが就学後に様々な能力を伸ばしていくための土台を築く重要な時期であることから、現在、幼児教育・保育の環境づくりのための「学ぶ土台づくり」推進プログラムの策定を、知事部局と一体となって進めているところです。
 その中で、外部有識者から、幼児期における豊富な自然体験や外遊びが、人と関わる力や規範意識、意欲的に物事に取り組む態度を育んでいく上で大切であるという御意見をいただいております。
 御紹介のありましたアウトドア環境教育も、外遊びの重要性という点で共通した考え方に立つものと受け止めており、御提案の趣旨も踏まえながら、具体的な推進プログラムを検討してまいります。
 なお、アウトドア環境教育推進のための政策交流事業について御提言をいただきましたが、今後、「学ぶ土台づくり」を推進していく中で、スウェーデンも含む海外の事例の情報収集に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(2) グリーン・エコツーリズムの先進国では、グリーン・ツーリズムやアウトドア環境教育に関する研修を行い一定水準にある人材を確保している。県内の農山漁村でのこどもの受け入れ体制を推進するため、みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会への支援体制の強化が必要と考えるがどうか。
回答/農林水産部長
 大綱3点目、アウトドア環境教育についての御質問のうち、みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会への支援体制の強化についてのお尋ねにお答えいたします。
 我が県では、小・中学生を対象に農山漁村での長期宿泊体験を推進するため、多くの関係団体とともに『宮城県子ども農山漁村交流プロジェクト推進協議会』を組織しており、『みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会』は、重要な役割を果たしております。県では、子ども農山漁村交流プロジェクトをグリーン・ツーリズムの一翼を担うものとして位置付けておりますが、受入対象や活用できる事業等に違いがあるため、別々の組織となっております。
 グリーン・ツーリズムを推進する人材育成や受入地域の体制整備には、両協議会の連携を更に強化して取り組むこととしておりますので、両協議会に対し有効な支援を続けてまいりたいと考えております。

質問/遊佐美由紀
(3) アウトドア環境教育や修学旅行の受け入れを促進するため、東北各県と連携し、県毎に異なる農山漁村民泊の規制を緩和するなど東北全体で制度化してはどうか。また、そのための総合特区を目指すプロジェクトを立ち上げてはどうか。
回答/農林水産部長
 次に、農山漁村の民泊の規制緩和など、東北全体での取組に関する御質問にお答えいたします。
 我が県の農山漁村での民泊については、『体験学習に伴う農林漁家への民泊の実施方針』により推進しており、庁内連絡会議で横断的に農林漁家民宿の規制緩和等の検討を行っていることろであります。
 修学旅行などの受け入れを推進するためには、東北各県の強みや持ち味を生かしながら東北全体で取組を進めることが有効とは考えますが、我が県の農山漁村活性化のためには、先ずは県内での取組を充実・拡大していくことが重要であると考えております。
 東北全体での取組については、各県の農山漁村交流プロジェクト推進協議会等から構成される『東北推進会議』などを通じ、東北各県との情報交流を密にしながら、その意向も踏まえ、総合特区なども含め検討してまいります。

質問/遊佐美由紀
(4) 昨年、宮城県子ども農山漁村交流プロジェクト推進協議会が設立されたが、庁内組織の充実強化のために、福祉、教育、農村振興、観光、地域づくりの分野が連携してこどもの成長・発達を総合的に推進する体制整備が必要と思うがどうか。
回答/農林水産部長
 次に、こどもの成長・発達を総合的に推進するための体制整備が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。
 子ども農山漁村交流プロジェクトは、多くの分野に跨る取組であり、県においては、『宮城県子ども農山漁村交流プロジェクト推進協議会』の活動を円滑に進めるため、庁内に企画部、経済商工観光部、農林水産部、教育庁等の関係各課からなる『調整チーム』を設置し事業を推進しております。
 今後とも、この調整チームを中心として必要に応じて関係課を加え、総合的な調整を図りながら、子どもの成長を支える取組として推進してまいります。

4 少子高齢社会に対応する居住福祉政策について

質問/遊佐美由紀
(1) 東京都は少子高齢化にふさわしい新たな「すまい」の実現に向けて、国に対し全国一律基準の緩和などを求めるとともに先駆的な「すまい」のあり方を「東京モデル」として提案したと聞く。本県では子育て世代と高齢者の「すまい」について、住宅と福祉それぞれが縦割りで取り組んできたが、子育て世代と高齢者が安心して地域で暮らせる環境を整備するため、住宅施策と福祉施策の総合的・計画的な取組を行う部局横断的プロジェクトを立ち上げてはどうか。
回答/知事
 次に、大綱4点目、少子高齢社会に対応する居住福祉政策についての御質問にお答えいたします。
 初めに、「すまい」に関する部局横断的な取組についてのお尋ねにお答えいたします。
 家族や地域のつながりの希薄化と、ひとり暮らしや夫婦のみの高齢者世帯の増加に伴い、だれもが安心して住むことのできる居住環境の整備は、重要な課題であると認識しております。
 県では、これまでも、住宅と福祉の担当部局の間で、適宜、情報交換を行ってまいりましたが、昨年の、いわゆる「高齢者住まい法」の改正により、共同した取組の推進が明確に示されるなど、住宅政策と福祉政策の連携が、より一層求められております。
 件におきましても、今年度、東京都の取組や県内の事例などを参考にしながら、連携した施策について検討しているところであり、横断的な取組を進めてまいります。

質問/遊佐美由紀
(2) 今月、民間の有志が少子高齢化にふさわしい「すまい」の実現を目指す研究会を立ち上げると聞くが、県も参画し宮城モデルとして規制改革のための提案を策定してはどうか。
回答/知事
 次に、民間有志による研究会への県の参画についての御質問にお答えいたします。
 この研究会は、大学教授、シンクタンク、事業者の方々が主体となって、少子高齢化が進む中で求められている住まいについて、現状や課題を検討し、必要な提案を行っていくものと伺っております。県としても、各分野の関係者が一堂に会して意見交換することは、有意義なことであると考えておりますので、関係職員が出席し、今後の参考にさせていただきます。

質問/遊佐美由紀
(3) 東京都では廃校になった小学校を造り替えて「高齢者向け優良賃貸住宅」や「適合高齢者専用賃貸住宅」として入居者に介護サービスを提供している。本県でも廃校の有効活用促進のために高齢者福祉施設や子育て施設の整備を進めてはどうか。また、既存の学校を子育てや介護の地域拠点とすべく合築整備を進めてはどうか。
回答/知事
 次に、廃校の活用による高齢者福祉施設等の整備や、既存の学校との合築整備についての御質問にお答えいたします。
 県といたしましては、学校は地域住民にとって身近な公共施設でありますので、廃校になった後も、地域の実情に応じ有効に活用されることが望ましいと考えております。
 これまでも、保育所やデイサービスセンター等に活用されてきたところであり、今後とも、高齢者福祉施設や子育て施設として活用が進むように、先進事例や支援事業について情報提供など、積極的に対応してまいります。
 また、既存の学校と子育て施設や高齢者福祉施設との合築整備については、世代間の交流を通して、様々な効果が期待できるとも言われておりますので、今後研究してまいります。
 私からは以上でございます。

質問/遊佐美由紀
(4) 少子高齢化に対応するすまいの整備のためには、地域で支え合う仕組みが必要だが、今年度改定する地域福祉支援計画について、地域で支え合うソーシャルコミュニティの仕組みを盛り込んだ計画となるよう求めるがどうか。
回答/保健福祉部長
 大綱4点目、少子高齢社会に対応する居住福祉政策についての御質問のうち、地域福祉支援計画の改定についてのお尋ねにお答えいたします。
 宮城県地域福祉支援計画については、市町村の地域福祉の推進を広域的な見地から支援するため、平成18年3月に第1期計画を策定しており、平成22年度をもって計画期間が満了するため、現在、第2期計画について改定作業を進めております。
 地域福祉を推進するためには、地域の住民の方々やボランティア、民生委員、NPO団体などのネットワークによる支え合いの視点が大切であり、複雑・多様化する住民の福祉的ニーズに対して、適切な支援を提供する地域での支え合いの取組、いわゆるコミュニティソーシャルワークの考え方が有益であると認識しております。
 第2期計画においては、このような地域で支え合う仕組みづくりについても盛り込んでまいります。
 私からは以上でございます。