民泊農家増加へ宮城版規制緩和
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グリーンツーリズムの拠点となる民泊農家の増加を導こうと、県は全国初となる「体験学習に伴う農林漁家への民泊の実施方針」(宮城ルール)を策定した。民泊農家を登録制とする独自の仕組みをつくり、旅館業法や食品衛生法に基づく営業許可がなくても宿泊客を受け入れられるようにした。グリーンツーリズムは小中学生の体験学習の場として人気が高く、参入を目指す農家などが規制緩和を求めていた。
県は昨年6月、「みやぎグリーン・ツーリズム推進庁内連絡会議」を設置し、規制緩和について協議してきた。その結果、旅館業法と食品衛生法の適用を受けないようにするため、「宿泊料の代わりに『体験料』を徴収する」「食事は、宿泊者自身か、宿泊者と農家が共同で調理する」などをルール化することを決めた。
登録制として民泊の受け入れをしやすくする一方、
(1) 受け入れ回数は農家一軒当たり年三回程度とする
(2) 一回の宿泊数は二泊以下とする。
(3) 一回の受け入れ人数は五人以下とする─
など一定の歯止めを設けた。「宮城ルール」は国からも了解を得ている。
旅館業法を厳格に適用すると、民泊させるにはトイレを水洗にしたり、男女別の風呂場を設置したりすることが必要。消防法により、床面積によってはスプリンクラーの設置や、避難通路、誘導灯、消火器の配置も義務付けられている。
農家にとって初期投資が大きく、民泊農家が増えない理由の一つに挙げられていた。県内では、旅館業法などの営業許可を得ている「農家民宿」が五軒にとどまっている。
県むらづくり推進課は「宮城ルールの策定でハードルはかなり下がった。農家民宿の拡大が、農村振興の起爆剤になれば」と期待を寄せる。
若柳町で農家民宿「有賀の里 たかまった」を経営する千葉聡さんは「規制緩和は大歓迎」としつつ、「他人を宿泊させる以上、農家側も事故防止のための勉強と努力を怠ってはいけない」と話している。
2004年4月8日(木):河北新報より