共に支えあう、生きる。防災と復興に男女共同参画の視点を

2015年3月3日
 東日本大震災から3月11日で4年になります。2011年3月11日、東日本大震災発生時から、地元の中学校の避難所運営をはじめ自らできることからはじめようと「共に支え合おう!東日本大震災復興プロジェクト地域サポートセンター」を設置し、震災に対する相談窓口を開設し、必要な支援物資を被災地に届ける支援、現在は住宅支援、在宅支援、家族相談などを行っています。
 震避難所で活躍した高校生男子が、3年3ヶ月後、大学内でフラッシュバック不登校、退学、統合失調症疑いと診断され、PTSDの診断を受けるなど、心の傷(トラウマ)により震災PTSDと診断される子どもが多いことも実態です。

 被災地では、がれき処理こそ進んではいますが、町の再建はまだまだ途中で、宮城県の不登校率は3.17%と全国で最も高くなるなど、「復興」や「絆」などという言葉ではとても解決できない気持ちのまま5年を迎えました。震災当時、避難所では、あるだけの材料を使って炊き出しをするなど多くの女性たちが活動していました。
 しかし、避難所の運営や着替えの場所、生理用品など女性のニーズへの対応が問題になりました。そうした多くの声を受け、宮城県の超党派の女性議員のつどい市民団体が「女の語り場」を行い、被災地で活動する女性たち女川、福島、岩手、をスカイプでつなぎ、避難所での手仕事への支援、原発の放射能による子どもの健康調査、必要な支援や要望を受けました。

 「みやぎ女性議員のつどい」は、要請書をまとめ、村井知事に対し宮城県地域防災計画見直しの際、男女共同参画の視点を盛り込むよう提案しました。その結果宮城県の「震災復興計画」に女性とNPOの参画推進が盛り込まれ、「地域防災計画」には、復旧・復興、避難所運営や応急仮設住宅の管理など「女性の参画」がきめ細かに盛り込まれことになりました。
 現在、県の女性の参画防災会議は2.0%から7.5%、2人から4人に増え、女性の管理職課長級以上の登用は、25人で 4.3% 1.1ポイントに上昇しました。また、震災から1年11カ月の時点で児童虐待が254件と過去最高になりました。DV被害者が公的な支援手続きする際、関係機関で何度も当時の状況を話す負担を減らすため「DV被害者支援共通シート」を作成し、迅速な対応を行うことになりました。
 女性たちのチカラの結集で制度を変えることができました。被災地では多くの課題を抱えていますが、全世界、日本各地から寄せられるみなさんのあたたかい気持ちは、宮城や福島、岩手の被災地のみんなを元気にする源です。
 震災から復興に向けて、被災地の子どもたちの笑顔が輝き、すべての女性たちが希望を持ち豊かな地域社会をめざすために、防災・復興に男女共同参画の視点で「今できることを精一杯やりぬくこと。」東北に培われた人と人を結ぶ~ゆい~の力で「共に支え合い、生きるため」に復興の道を歩み続けてゆきたいと思います。